シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
『願い求めよ』
すっ…と、傷ついた心に影が出来た。
けたたましい電子音が音楽に絡んでいる。
歓声に混ざって…妙にリアルな囁き声が聞こえた。
『さすれば我は汝等に与えん』
それは鎧のように、あたしを守ろうとして。
『さあ……求めよ。
汝の願いは如何に?』
――否。
悪魔のようにあたしを誘って。
あたし…?
あたしが願うもの?
それなら時を…
楽しかった時を…
皆で笑いあったあの時を…