シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 
見慣れぬ番号からだ。


基本私は、許容した見知った人間からの電話しか取らない。

経験上での、自己防衛策だ。


関わらぬ方がいい。

私はそこまでお人よしでも、暇人でもない。


ぶちっと、"切"ボタンを押した。


氷皇の画策だろう。


私が氷皇の服を選ぶという前提で、縫い付けていたのか。

もし緋狭様の赤いドレスを選んでいたら、どうする気だったのか。


――あははははは~。


出れば無理難題押し付けられ、胡散臭い笑いを忍ばねばならない羽目になる。


その手に乗るか。


それでなくとも、私は…不本意ながらも玲様への手紙を預かってしまっている。


後悔は多々。気が重いというのに…更に憂鬱の種を抱え込みたくない。


私は、早く煌を見つけたいのだ。



じ~んせい楽ありゃ苦~もあ~るさ~♪


また携帯が鳴り響く。


ぶちっ。


何でこの着うたなんだろう。



――あははははは~。


馬鹿にされていることに、怒りしか湧いてこない。

じ~んせい楽あ♪


ぶちっ。


じ~んせ♪


ぶちっ。


じ~♪


ぶちっ。



相手はしつこかった。
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