シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
かつて『気高き獅子』として世間に持て囃され、誰もに畏怖されていた…美貌の少年は。
汚いモノのように、ぞんざいに海に打ち捨てられた。
玲様が、追おうとする芹霞さんを抱きしめた処までは記憶ある。
薄れていく意識の中で、
――僕は、貴方に傅(かしず)こう。
玲様の声が聞こえた。
――約束、して欲しいんだ。
当主の笑い声が聞こえた。
――約束、して欲しいんだ。
はい、櫂様。
桜は信じています。
必ず――
成功すると。
櫂様…
桜は――
お帰りをお待ちしています。
櫂様の切り札が――
必ず"成功"することを…
信じております。
桜は――
約束を守ります。
私の主は――
櫂様だけです。
櫂様の言葉は…絶対的ですから。