シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
だから私は――
怒りを堪え哀しみに耐え。
動けるようになる為に、どんな治療も拒まなかった。
拒む力もなかったけれど。
毎日のように体内に混入される"何か"。
注入されているのが、ただの鎮痛剤ではないことは…明らかで。
何より――
此処は普通ではないから。
機械で囲まれた研究室。
白衣を着た多くの人間達。
うっすらとした視界の中に見えるのは――
私に手を振る…青い色。
そして――赤い色。
ねっとりとした…ゼリー状のものに満ちた水槽の中、
全身チューブに繋がれて…
身体を丸めている私――。
ああ――
こうして陽斗も煌も――
体力を回復してきたのだろうか。
尋常ではないあの回復力が、
もしも私の肉体に宿ることが出来るのなら。
今度こそ、私は守れるだろうか。
――櫂様を。