シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「だが、その飛び込む環境はあまりに複雑で。
緋狭さんが口に出来ない程のものだ。
だが彼女は…わざわざ危険性侵して、襦袢姿で現われた。
あの緋狭さんが見せたのは――
背中にある奇怪な印。
だが玲の力も制限され、諜報能力が著しい低下を見せている今。
そう、…今の俺達は、それを調べる手段はない。
緋狭さんは…"わざと"敵に回ったんだと、俺は思う。
緋狭さんでさえ辟易する程の…制限された現実において、
傍目では判らないよう、それと判らぬよう…
緋狭さんは…打開策を示唆し続けてくれた。
いつも通りに。
甘いかな。
だけどお前達も思っているはずだ。
緋狭さんは…
俺達を裏切らないと。
俺達と緋狭さんの繋がりは…突如消え去る弱いものではない。
この先何があっても…
緋狭さんは、俺達の導き手だと――
俺は信じている。
だけど、それを周りに悟らせるな。
あくまで俺達は、緋狭さんに"裏切られた"人間。
緋狭さんが現われたら、この話は忘れろ。
全力で相手をするのが…必然」