シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「今回、俺達の動きの全てが読まれている。
俺達にとっての攻撃が…全て後手に回ってしまうのなら。
俺は…自分とお前達をも守りきるために、
このまま逃げるのではなく、
俺が出来る最大の攻撃をする。
敵が、どうしても俺を"嬲り殺したい"のであれば、例え勝利したとしても…行く行くは堂々巡りになるだろう。
だから――
この…延々と巡る"運命の環"に亀裂を入れる為、
俺は、あえて敵の思惑に乗り。
――自らの命を絶ち、表舞台から姿を消す。
此の世から完璧に消えることこそが俺の"攻撃"。
完璧な死を見せつけることこそが…俺の"切り札"。
死んで…油断させて――
俺は…そこから動く。
誰もが…完全に"死"した俺が復活の可能性など微塵にも考えぬよう、夢にすら思わないよう、…完璧に死ぬ。
もし死んで、そして"蘇生"が出来たのなら。
そこから初めて俺は――
反撃が可能になるだろう。
為されるがまま、流されるがままの…状況がまるで掴めないこの状況から抜け出ることが出来るだろう。
そうすれば――
制限され続けたお前達の本来の力も解放出来る」