シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
――なんて、曖昧な昔の思い出に浸るより。
"飛び入りで"、優勝できるなんていう強者…玲くん以外に考えられなくて。
さらに王子様キャラの青いゲーマーなんてそうそういない。
何より――
あたしが居たなんて。
ありえないじゃないか。
あたしはずっと玲くんを探していたんだ。
じゃあ玲くんは誰といたの?
今、玲くんは何処にいるの?
その玲くんの行方を、このカップルが知っているのなら。
「あの、その後玲くんは…「ゆんゆんを知っているなんて僕タン超感激!! ゆんゆんの良さを知る人間共が少なかったから。ね、美弥タン」
「に、"人間共"ってあんた達何者…いや、問題はそこじゃなくて。聞きたいのは…「本当だね。美弥達の理解者居るなんて超嬉しい」
「い、いや…別に"理解者"じゃなく…「美弥達ね、ゆんゆんチャットで知り合ったの。美弥…事故って意識不明状態になったら、ママが宗教に頼って美弥を生き返らしてくれてね」
今度は何よ、宗教のお誘い?
頭…痛い。
しかし宗教ネタは直ぐ終わり…誰も聞いちゃいないのに、"祐タン"との馴れ初め話に転化した。
「……そして、退屈な入院生活で…ネット巡って知り合ったのが祐タン!!! 世間知らずな美弥を優しく優しく…チャット調教してくれた…いやん、これは内緒」
調…教……?
「まあそういうことで、美弥は、世間に乗り遅れることなく…こうしてゆんゆん様の布教が出来ているの。以上、美弥のプロフィール」
誰が聞いた、"美弥タン"の事情。
あたしが突っ込む前に、怒濤のように言葉は続く。