シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「ねえ知ってる? ゆんゆんを生み出したのは、この大会の主催者たるAPEXの前身のアニメ会社。だからAPEX大会でのレアキャラは、関連するマイナーキャラばかり。青いダーリンが使ったキャラは、何なの? ゆんゆん大好き仲間なんだから、教えてよ、ね、祐タン」
「な、"ゆんゆん大好き仲間"!!? あたしは…「そうだね、後で僕タン達の愛の巣…ゆんゆんチャットにご招待してあげるよ。ああ、そうだ。仲間にはいい情報を教えて上げる。"APEX"プロジェクト!!! 実はAPEXが、そうした昔のアニメを放映しようと、最近小さいテレビ局設けて民放で深夜に放映しようとしてるんだ。昔の懐かしアニメなら、ネット配信よりもやっぱりテレビの方が味でること、判ってるよね、流石はAPEX!!! そして放映リストに、何とゆんゆんがあるんだ。来月15日水曜日放映開始だから見るべし!!! ゆんゆん仲間が増えて嬉しいね、美弥タン」
「や、そんな情報頂いてもあたしは"ゆんゆん仲間"じゃ…「こうやってコートにゆんゆん様つけて、愛の布教した甲斐があったね~。どうにかして軍神にも連絡つけたいけど、軍神の居場所判る?」
ぶちっ。
「一般人のあたしが――…
軍神など知るわけないだろうが!!!」
とうとう…キレたあたしは怒鳴った。
「急に声を荒げてオタクどうしたんだい?
ゆんゆん仲間としては…」
「あたしを――
オタク仲間にするなーッッッ!!!
ゆんゆんを語る前に!!!
人の話聞けぇ~いッッッ!!!
この…馬鹿ップル共めが!!!」
腹の底から声が出てくる。
「ゆんゆんなど聞きたくもないわッッ!!
玲くんとあたしのニセモノは、
その後何処に行ったのか――
それだけを語れッッッ!!!
それ以外は、断固拒否するッッッ!!!」
それは――
ストレス発散するが如く。
途端カップルは、青ざめた顔をして、直立不動で頷いた。
ふぅ~。すっきり。