シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「助けてぇぇぇぇッッ!!!」
隔離空間が飛び出した黄色い蝶は…次々と女性達を襲って。
この建物は、入り口が封鎖されている。
つまり、逃げ場がないということで。
あたしの身体はがくがくと震えた。
「玲くん…」
口から漏れたのは、唯一黄色い蝶に対処できる男性の名前。
唯一黄色い蝶を視覚で捉え、滅ぼせる人の名前。
だけど玲くんの行方は判らない。
あたしのニセモノと何処にいるのか。
それともニセモノだと気付いて、1人で居るのか。
この建物から外に出れないというのなら。
「まさか…玲くんもこの中に・・・?」
考えたらいてもたってもいられなくて。
ゲーム大会の会場は閉まっていた。
休憩所にも居なかった。
トイレにもいそうにない。
考えられる残る場所は…ただ1つ。
あたしは――
血の惨劇を繰り広げるこの場から、
ライブ会場に入ったんだ。
玲くんを…探すために。
何の根拠もないけれど――
玲くんが助けを求めている気がしたんだ。