シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
逆転出来るかどうかは…
これからにかかっている。
これからが勝負。
"成功"となるか否かは、これからなんだ。
海に光る銀色。
それに気づいていた緋狭さん。
舞台は既に整っていた。
そして――
櫂の"目論見(もくろみ)通り"に事は進んでいて、
そう…これからというのに――
僕の心は砕け散る寸前で。
僕の荒れ狂う心は、目の前で逝った櫂に対するものと同時に――泣き叫ぶ芹霞の声が…極限まで、僕の恋情を煽り立てていた。
僕は…もうまともに考えられなかったのかも知れない。
櫂が"切り札"として、自らの命を絶とうとした…その案が出たこと自体、最早まともではなかった。
それを導いたのが…僕達を救い続けた緋狭さんだということ自体、あってはならないことだったんだ。
置き去りにされた僕。
僕は暗闇に1人…投げ出されたような心地だった。
僕の心はうろついた。
櫂の元にいけばいいのか。
だけど――
どうしても芹霞の元にいってしまう。
芹霞の愛の言葉が…頭から離れない。
こんなの予定になかった。
――ワカッテイタンダロ?
僕が泣くのは…櫂に対してだけのはずだったんだ。
――ダカラハンタイシテタンダロ?