シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



芹霞。

芹霞。



好きだ。


君が好きだ。


僕を好きになって?

僕だけを見つめて?


何度も何度も繰り返し願い続けていた僕。


僕自身を滅ぼしてしまうそうな…激しい想いに気が狂いそうで。


あの場の狂気が…僕を煽り立てていた。


そんな中。


芹霞が櫂の後を追おうとした時…僕の心は弾けてしまった。



「櫂の処に行くなッッッッ!!!!」


それは…櫂から逆転の為の"切り札"を言われた時から、恐れていた。


櫂は…芹霞を連れて行ってしまうのではないかと。

僕の処には来ないのではないかと。


僕は…芹霞を手に入れることが出来なくなるのではないかと。



「まだ――

櫂を選ばないでくれッッッッ!!!!」



そう。


僕が。


僕がいるのに。


まだ僕は…君にきちんと想いを…告げていないのに。


冗談には済まさない、真摯な態度で…君に告げていない。

君が冗談に出来ない程の愛情を、まだ君に見せていない。


まだ…片鱗だけだ。


これからなんだよ、芹霞。


まだ僕は意識されていない。

まだ僕は"お出かけ"していない。

まだ勝負にも至っていない。


早いよ。


早すぎるよ、芹霞。


結論を出すにはまだ…早すぎる!!!


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