シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


バシバシバシバシ…。



――あははははは。


最後に皆で笑ったのはいつだったろう。

最後に全員が集まったのはいつだったろう。



櫂。


なあ…やっぱりお前の姿が恋しいよ。

お前に近くに居て貰いたいよ。


お前なら、この状況…どうまとめる?


溜息ついて、僕を見ながら苦笑した後、

お前ならどう動く?


僕の"次期当主"は名ばかりで。

お前のものとはまるで違う肩書きだけれど。


それでも僕なりに、お前が戻っても動けるような策は…練ってはいたんだよ。


帰ってきて欲しい。



――あたしは、神崎芹霞は!!!



だけど――



――紫堂櫂を愛してる!!!



帰ってきて貰いたくない。


芹霞を…刺激して貰いたくない。



ああ――

堂々巡りだ…。




バシバシバシバシ…。



その時だった。



バシバシ…。



芹霞の平手打ちの音が途絶えたのは。


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