シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
Zodiacの…曲?
「…!!! そう言えば、ラジオが!!!」
流れていたのかよ!!?
「確かに…渋谷でもかかっていたね、煌」
芹霞が俺を見た。
ない頭振り絞って考えれば…有線がかかっていたような。
「芹霞さん!! 桜華で授業に出た時は…自警団に連れ去られた男子生徒が、席に残した再生機から…曲が流れていましたね」
「そうだったね、桜ちゃん!!!」
「朝方の桜華で…蝶に襲われた時は、俺…小猿と放送室で、間違ってZodiacのを流したかも」
玲が言った。
「間違いなさそうだね。北新宿でもZodiac。此処でもZodiac。Zodiacの曲が…何か関係在るのかな」
「ねえ、玲くん…」
芹霞が首を傾げる。
「だけど一番最初…榊さんが襲われた時は、
Zodiacの曲、かかってなかったよ」
玲が目を細める。
「玲様」
即座に桜が会話に割った。
「その…最初の黄色い蝶ですが、最初だけなんです。"男性"を狙ったのは。他とは女性…少女だけ」
「どういう…ことだよ」
俺の問いに、玲が静かに言った。
「こう考えざるをえないね。
最初の事件だけは…別物だったと」