シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 
「「「別物?」」」


俺らは声を揃えたが、玲は固い顔をしたまま、何も答えなかった。



「黄色い蝶…それを見たら出るらしい血色の薔薇の痣。だが芹霞と桜のものは同種か判らない。

痣の少女を狩っていたという…黄色い外套男、この場合煌か…。


桜の話では、煌は黄色い蝶が目を抉る少女を対象としていない。

だが芹霞と桜の痣には反応した。


煌は何を狩っていた?

無差別ではないのなら…何をもって"選別"していた?


お前の行動の理由が判れば…黄色い蝶に関する謎も少しは判るかもしれないけれど…。何かの命令に従い、その催眠が解けたのなら…内容は判らないな」


玲は溜息をついて腕組みをしていて。


俺しか判らないことであるなら。


俺は口を開いた。


「なあ…判るかもしれねえ」


途端、その場の視線がこちらに向けられて。


「意識上では無自覚でも…無意識領域界であれば。忘れようもなく…記憶ってのはこびりついているんだろう?」


玲は訝しげに目細めると、続きを促した。




「七瀬に頼む」





「紫茉ちゃん!!!?」




何でそこまで目をキラキラさせて悦ぶ、阿呆タレ。



「夢…か。確かに…お前にしては妙案だ。だがどうやって彼女と連絡とるかだな。彼女には周涅がついているたろうし、正攻法では難しいだろうな」


すると桜が嫌そうな溜息をついて、自分の携帯を出した。


「皇城翠に…連絡を取れば、可能になるかと」


おお、桜が…自ら小猿に連絡取るか!!!



「先程も2人から連絡があり、芹霞さんを案じておりました」


きらきら、きらきら。


俺は惚れた女は、何処までも百合嫌疑がかけられている。
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