シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 

「…超能力?」


遠坂が首を捻る。


「由香、それは"ESP"。EMP…何かの略号か…?」


久遠が腕組みをして目を細めた。


続けて単語が出てくる。


"assecla(寄生)"

"regeneratio(再生)"

"ruminatio(複製)"


「何だ? ラテン語ばかりか?」


"imitation(模倣)"


「久遠、英語も混ざってるみたいだぞ」


"augmentum(増殖)"


"torus(円環)"


「いや…ラテン語だろう。ラテン語は英語の原型だ。同じ単語になることはある」


"mutatio(突然変異)"

"lorem(淘汰)"



「由香、この検索順番の根拠」


「ああ、頻度順にTOP30くらい…」


「もう…いいな、紫堂櫂」


紅紫色の瞳がこちらに向けられ、俺も頷く。


遠坂はキーを叩くと、単語は止まる。



「何だか…嫌な匂いがぷんぷんなものだね、『TIARA』って」


殆どが…生死に関連する。

"torus(円環)"以外は。


「これに何が師匠に関係するんだろう」


「紫堂玲に関連するということは…電脳世界か。電脳世界にこれらのものを組み込んで考えれば…。先刻までしていた会話と、妙にかぶる部分があるな」


物騒なものも含めることにはなったけれど。


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