シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「とにかくは。紫堂玲が電脳世界に入ったのは偶然ではないな。どう入ったのかという問題はおいておいて、紫堂玲は…これらのことに、無関係とは言えないだろう。これだけ"Rei Shidou"がうたわれていれば」
「しかし何だよ氷皇は。これを送りつけて…『TIARA』なんて胡散臭いのがどんなものか教えたいなら、要約しろよ!!! 結局何も…」
俺は遠坂に手を向けて、言葉を制する。
長文過ぎるものに、短時間にて内容を掴みたい時。
多発単語を見て内容を推測するのは、俺がよくする手段。
それを見越されていたら?
だったら――
何の為に…単語を拾わせた?
玲に関連するということ以外に、何を言いたい?
「結局…検索した単語には何が『TIARA』か、どんなものなのか判らないな。データ記述者が誰かも判らねば、内容に信用性があるとも断言も出来ない」
確かに、蓮の言う通りなんだが――。
「…案外、あの青い男が高笑いしながら記したものかも知れない。腹立たしい限りだが」
意味ないことだけは、あの男はしないんだ。
そのことだけに信用がおけるというのなら。
!!!?
突如――俺の脳裏に閃いたもの。
俺は大画面を見ながら、手元のパソコンに打込んでいく。
頻度順だという…単語を。
"Rei Shidou"
"EMP"
"assecla(寄生)"
"regeneratio(再生)"
"ruminatio(複製)"
"imitation(模倣)"
"augmentum(増殖)"
"torus(円環)"
"mutatio(突然変異)"
"lorem(淘汰)"
俺は――
"Rei Shidou"を、まず消した。
"EMP"は何を意味しているか判らないから保留。
後は――
"並べ替える"だけ。