シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


紫堂の仕事など…初めから任せる気はなかったんだろうね。


だけど、対外的には…僕はそれなりに顔を知られてきたよ。


元々僕に胡麻を擦り、そしてお前に諂(へつら)った…政界でのあの大物もまた、僕に媚び始めたよ。


滑稽だよね。

僕は…ただの人形だというのに。


元々…予想はしていたけれどね。


お前が僕に任せてくれたあの日々が、どんなに楽しく充実していたか…今更思い知らされる。


懐かしいね。

時を戻したいね…櫂。



――あんたじゃなく、紫堂櫂を愛してる!!!



全て…夢の中のものであったのなら!!!


僕は僕の方法で…芹霞を守り抜く。



――約束、して欲しいんだ。



ごめん。


櫂、ごめん。



――あんたじゃなく、紫堂櫂を愛してる!!!



こんな状況にさせて…


本当にごめん。



だけど僕――。



ああ、きっと罰だね。

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