シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

――紫堂櫂を愛してる!!!


芹霞さんは櫂様に対しては衝動的になる。

何処にいても櫂様を必ず見つけ出し、櫂様だけに"永遠"と"運命"を公言する。


彼女の心が、櫂様だけに向いているというのなら。

それが真実の愛だというのなら。


ここまで激しく求められた煌は何だというのか。

ここまで安心させられる煌の存在は何だというのか。


そして。


――煌に斬らせてッッ!!!


私ですら惑った"存在"の真偽を――

瞬時に判別して貰えた玲様は。


芹霞さんにとって一体何だというのか。


「……ら?」



では私は?

私に対して、彼女は?



「……くら?」



ボクヲアイシテクレナイノ?



「……桜? 大丈夫か?」



覗き込んでくる鳶色の瞳。


私は…

思考を飛ばしていたのか。

直前の記憶がない。


「え…はい。失礼しました」


私は頭を垂らして、非礼を詫びる。


ボクノココロハムクワレナイノ?



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