シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「じゃあ何でお前じゃねえ見えねえ奴がんなもの操れるんだよ!!? つーか、じゃあお前の力の範囲内なら、玲、これを抑えられるのか!!?」


玲様は自らの青光を、万年筆の光にぶつけられた。


見るからに青の純度も威力も違うのに――


「え!!? 玲が競り負ける!!?」


煌が驚いた声を出しながら、偃月刀を振り回す。


偃月刀は青光を叩ききれるようだ。


本当にふざけた武器だ。


「強弱じゃない。強さなら寧ろ…僕の方が上だ。これは…取り込まれているんだ。僕の力が吸収されている」


「あ!!!?」



「この感覚――

構成されているのは、

――…"虚数"だ。


僕の…0と1の力の天敵だ」



玲様が言った。


そして。


「煌!!! 触れれば溶けるか爆発するかの光に、どうしてお前は偃月刀で直接叩き斬れてる!!?」


そう言えば!!!


これは"ふざけた"レベルの話ではない。

煌が斬っているのは、私の様な見えぬ主ではなく…青い光そのもの。



「気をつけろ!!!」


四方八方から青光が放たれる。



玲様の結界は吸収されるのだとすれば。


完全に弾くことが出来る、真の結界は煌の偃月刀。


旋回続ける巨大な刃。


「煌!!!」


再び玲様が叫ぶ。


「もっと刃の角度を倒せ」

「あ?」



「刃に――映ってる!!!」



旋回する偃月刀。



確かに――見えた。


現実にはない…不可視の自警団の姿。

白い制服を着た…能面の顔の数々。


刃には…確かに――

肉眼では見えない敵が存在していたんだ。



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