シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
何故だ!!?
何で煌の偃月刀は、そんな姿を映しだす!!!?
「どうやら…お前が"狩る"のは意味があるようだね」
玲様は煌の刃を見ながら、長い足を蹴り上げて…"自警団"らしき、万年筆の主そのものを叩き付ける。
現実世界は何もないけれど…
「衝撃あり、だ」
玲様の目は、落下する金の万年筆を追っている。
「煌の偃月刀に映るのは…真実の姿と思っていいな。
桜、偃月刀を見ながら、自警団を切り刻め」
「はい、玲様!!!」
姿が見えるのなら。
私は糸を網状に広げた。
落ちる。
落ちる。
落ちる。
万年筆は床に落ちて動かない。
消える。
消える。
消える。
青い光は放たれない。
「何、ねえ今の何だったの!!? 何が起こったの!!? 何で一斉に青い光出して金ぴか万年筆が落ちたの!!? 皆どうして、こんなけったいなもの相手に瞬殺できたの!!?」
芹霞さんは、偃月刀に映る姿を見ることができなかったらしい。
玲様は万年筆の1本を手にとり、よく見始めた。
「見た処は…純金製ってとこか。別に電動式でもないし、どうして此処から電磁パルスが放射される仕組みになっているのか」
玲様はそこから青い光を放出させた。
「おう!!? お前使えるのか!!?」
煌が驚いた声を出したけれど。
「いや…これは単純に僕の力だ。0と1…実数の力。これを通したからと言って、虚数にはならない」
ということは…虚数を生み出しているのは、別のものと言うことになるのだろうか。