シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「共鳴って…仰られてましたよね。EMPが爆発する寸前に玲様の…0と1のお力と同様なものに"共鳴"するというのなら、万年筆から放たれた力は…爆発するまで、玲様のお力とは真逆な"負"であるということでしょうか」
「そう…だね。力が突然真逆に変わる。爆発する時にようやく、こちら側で取り込める正規なる電脳世界のコード配列に変わると言うことだね」
「その切り換えの説明はどうなるのでしょう。どんなタイミングで?」
「え? それは高い音…音?」
玲様は眼を細められて考え込まれた。
「音で…周波数を合わせているのか? 僕の力を模倣してる?」
音…。
私達は、自然と…今は何も映し出さない大画面に目を向けた。
「Zodiacの曲も…"音"だね」
その曲が流れると飛んでくる黄色い蝶…。
周波数…共鳴…。
そんな単語と関係があるのだろうか。
「一度…Zodiacの曲を調べて見る必要があるね。音響機材が整った中、波形…周波数も測定できるような」
「テレビ局?」
芹霞さんが聞くと、玲様は頷いた。
「そうだね、テレビ局ならZodiacの曲も…」
私は内ポケットから、CDを取り出した。
「貰ったものですが…、原曲なら手元に」
「ん? このマーク…」
パッケージを見た芹霞さんが、そのまま…先程の戦闘で破壊された大画面を見る。
「今は消えてるけど…何かそんなマーク、飛んでたよね、曲に合わせて」
それは私だけしか確認出来ていないらしい。
そして玲様が言われた。
「この記号は…」
「"ドラゴンヘッド"…というそうです。Zodiacのタイトル通り、これは占星術での記号の1つ。羅侯(ラゴウ)とも言われる凶悪星のことだそうです。
七瀬紫茉によると」