シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「紫茉ちゃん!!!?」
芹霞さんの目がまた輝く。
きらきら、きらきら。
「羅侯(ラゴウ)…?」
玲様は訝しげに考え込まれた。
「羅侯(ラゴウ)とは…九曜の1つの…羅侯(ラゴウ)?」
九曜…。
「九曜ってなに?」
「月、火、水、木、金、土、日の7つを七曜、それに羅侯(ラゴウ)と…」
玲様は目を細められ、声を低められながら続けた。
「計都…を合わせて…九曜と言う」
「計都? へえ、計都の名前もそこからきてるのかなあ?」
偶然か?
そしてその"九曜紋"を掲げているのは皇城…そして黄幡会。
「なあ…桜。七曜も…"北斗七星"で表現できたはずだよね」
だとすれば。
羅侯(ラゴウ)という"ドラゴンヘッド"は…
黄幡会や皇城に意味を持つものだというのだろうか。
「計都星は…羅侯の対となる星。"ドラゴンテイル"と呼ばれているはず」
黄幡計都の名は…偶然なんだろうか。
そして今、羅侯星に魅入られているのは――
「玲様、今…芹霞さんは、その羅侯(ラゴウ)の影響下にあり、危険な状況らしいです。イチルのブログの"CARCOSA(カルコサ)"において…芹霞さんらしき占星術(ホロスコープ)が出されていると。しかもそれは…芹霞さんの名を明記しているようです」
「イチル…。そして僕を電脳世界に閉じ込めた、芹霞のニセモノ、そして僕のニセモノが…使い魔、"エディター"と無関係ではないのなら」
「繋がっていますね」
黄幡一縷と…上岐妙。
そして…動き出したと言うことか。