シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「黄幡会…いや黄幡家の者達が、九曜紋を掲げるのが羅侯や計都に関係があるのか…ああ、黄幡家そのものを調べる必要があるかもしれない。
それが皇城とどう絡みついてくるか、だな。
とりあえずは"エディター"を含め、何かをやらかそうとしているのは確かなんだけれどね…」
「なあそう言えば"あいつ"、夢の中でさ…どこだかの世界に、王子様の玲と行こうとしてたんだ」
煌が思い出したように言った。
「それ何だろう?」
あいつとは…煌が潜った上岐妙こと"エディター"だろうが、その質問に返答できるだけの理解もなければ情報もない。
「煌。あんたさ…身体は大丈夫なの?」
不意に芹霞さんが聞いた。
「気持ち悪くなったり、気分悪くなったりしないの?」
蛆、のことか?
ああ確かに、ここには皇城翠がいないのだから、以前の馬鹿蜜柑なら…吐き出していただろう。
「ああ、全然平気。記憶ない間に…治療されたのかな?」
「それが…"いい兆し"ならいいね」
玲様は依然…固い顔をされていた。
そんな時。
バリーーーーン。
「やべ」
天井を見上げた煌が、偃月刀を握り直す。
バリーーーーン。
またもや天井の硝子が割れる音。