シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「キリないな、これでは。

よし、外に出るッッ!!!」



玲様の号令の元、私と煌は玲様達の背中を守る形で、偃月刀を頼りに…数多くなった万年筆を落としていく。


ガタガタガタ…。


玲様が扉を開けようとしているが、開かないらしい。


「玲様、スイッチを入れて参り…」

「無理だ、桜。電気で管理されている限り…もう効果がないッッ!!」

「え?」

「今、この部屋の電気は…僕のバングルの月長石を通じて、電脳世界に置いてきた…僕の月長石を"共鳴"させて、0と1を増やして虚数除けしている。

この流れを途切れさせたくない!!!」


そして。


「桜、芹霞を少し頼む」


そして玲様は、両手でドアを押し広げるかのような姿勢で――



「――はっ!!!」


外気功を大きく発した。


玲様を中心とした空間が、大きく震える。


そして間髪いれず、体を捩ってドアを――


バアアアン。


蹴破った。


まるで舞姿を見ている心地だった。





「出るぞ!!!」



自然光に目を細めながら――


そして視界に入った光景。




それは――




「何、何、何!!!?」



それは、"蛆"に塗れた白い世界。


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