シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「今日の日付だね…参加者名簿?」
玲様が目を細められてそれを覗き込む。
「人数はぴったり300人。確かに数は合っているけれど…何で、生年月日が必要なんだろう、この名簿」
玲様が怪訝な顔をされた。
「ねえ芹霞。君が受付の人にチケットの半券出したとき、誕生日聞かれた?」
芹霞さんは首を振った。
「ということは…元々紙に記載されてたんだ…」
確かにおかしい。
この名簿には――
「チケット番号と…誕生日しかない」
そう、その照合だけがなされている名簿。
つまり――
「手書きのチェックが入っているということは、リストにのぼったその生年月日の人間が、来てるか来てないか…それだけの確認だということだ」
「どういうこと? 玲くん」
「つまり…此処の300人は、
生年月日によって選ばれていたということだ。
始めから――」
「え?」
「芹霞、まだ半券持ってる?」
「え、多分…」
芹霞さんはバッグの中身を机に出しながら、がさがさと探し始める。
「なあ…芹霞」
がさがさ、がさがさ…。
「何でお前のバックにさ…」
がさがさ、がさがさ…。
「手錠が入ってるんだ??」
煌が、芹霞さんの鞄から出された手錠を手にして、首を捻る。