シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
何だか凄く切なくなる。
ねえ玲くん…。
何でこんなに切ないのかな…。
そう思って玲くんの腕にしがみついていたら、一瞬玲くんの体がびくっと揺れて。
どうしたのかと思って玲くんを見たら、あたしの後ろ側1点を見つめていた。
鳶色の瞳が、ゆっくりと剣呑な光宿して細められていく。
何があるんだろうとその視線を追おうとしたら、玲くんの片手に目を覆われた。
「何?」
「見ないで」
この低い声は不機嫌な時の玲くんの声。
玲くんの視線の先に、何があるっていうんだろう。
「さあ、芹霞。降りようか。そのままでいてね、僕がドア開けておろしてあげるから」
「いやいや玲くん。降りるくらいあたしできるから」
「いやいや此処は芹霞。僕に任せて、何も動かないで? 何も見ないでね?」
にっこり。
そして玲くんは猛ダッシュで運転席から出て、助手席に走って回ってくる。
何、何、突然どうしたの?
そんな時、あたしの手は何かをがさりと掴んだ。
「ん……?」
掴んだのは…青い小袋。
あたしが見損なった…あの紙袋?
中に何だか重いものが入ってる。
表側には、
『Aketekurenaito,ReikunniAOINOROIgaicchauyo~』
英語?
いや違う。
ローマ字。
『開けてくれないと、玲くんに青い呪いがいっちゃうよ~』
それはいけない!!
玲くんの為にここは…。
がさがさ…。
「…お待た…ああ、芹霞ッッ!!!
見つけちゃったのッッ!!?
何で開けちゃうんだよ!!!」
玲くんは裏返った声を上げた。