シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
・電波2 櫂Side
櫂Side
******************
ウイーーーーン。
ウイーーーーン。
高い音色の機械音が、
まるで女の悲痛な叫び声のように聞こえる。
「困ったな…」
腕を組んだ蓮が、深刻な表情をして呟いた。
ウイーーーーン。
ウイーーーーン。
2倍の早さになったスキャニングは依然続く。
見かけ上"ちびっ子"2人は、それぞれの未来をかけて必死だ。
「まさかあの男も久遠様と一緒に生中継に出演し…新アトラクション以外に…隅々まで"約束の地(カナン)"回ることになろうとは。しかもカメラを従えて」
――もう、テレビ局とは連絡を取っている。スポンサーたる紫堂代表である俺と、オーナーたる各務代表である久遠とのコラボだ。
蓮の金の瞳は、真っ直ぐに俺を見る。
「紫堂櫂。見つからないよう、逃げ回れ」
"逃げ回る"。
その不快な単語の響きに――
俺はきりっと歯軋りをする。
屈辱。
俺が…ただ逃げ回るなんて。
それならいっそ…
「紫堂櫂。久遠様は、久涅とかいう…お前の兄と対立されたのだ。それが"約束の地(カナン)"の為であれ…久遠様は、お前という爆弾を抱え込んでいる立場には違いない」
――オレは…正当なるこの土地の所有者として、戦うぞ。
――俺の敵となりたいのなら、致し方ない。
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ウイーーーーン。
ウイーーーーン。
高い音色の機械音が、
まるで女の悲痛な叫び声のように聞こえる。
「困ったな…」
腕を組んだ蓮が、深刻な表情をして呟いた。
ウイーーーーン。
ウイーーーーン。
2倍の早さになったスキャニングは依然続く。
見かけ上"ちびっ子"2人は、それぞれの未来をかけて必死だ。
「まさかあの男も久遠様と一緒に生中継に出演し…新アトラクション以外に…隅々まで"約束の地(カナン)"回ることになろうとは。しかもカメラを従えて」
――もう、テレビ局とは連絡を取っている。スポンサーたる紫堂代表である俺と、オーナーたる各務代表である久遠とのコラボだ。
蓮の金の瞳は、真っ直ぐに俺を見る。
「紫堂櫂。見つからないよう、逃げ回れ」
"逃げ回る"。
その不快な単語の響きに――
俺はきりっと歯軋りをする。
屈辱。
俺が…ただ逃げ回るなんて。
それならいっそ…
「紫堂櫂。久遠様は、久涅とかいう…お前の兄と対立されたのだ。それが"約束の地(カナン)"の為であれ…久遠様は、お前という爆弾を抱え込んでいる立場には違いない」
――オレは…正当なるこの土地の所有者として、戦うぞ。
――俺の敵となりたいのなら、致し方ない。