シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
――これは…決定事項だ。
親父は…
――それより遥か上が取り決めていた…そう、"運命"という奴らしい。
何と結託して、何をしようとしている?
玲は…どうしてる?
気づいているのか、不穏な動きを。
――せいぜい、頑張れ?
久涅は…何をしようとしてる?
「なあ、蓮。その生中継って…どんな番組なんだよ?」
遠坂が蓮に聞いた。
「ああ。『流行とびつき隊』というらしい。久遠様も私達も、テレビというものは見ないからどんな番組かは知らないが。急遽出演依頼が来た。
マスコミを利用して、無料にて"約束の地(カナン)"を宣伝出来るいい機会だろうと、了承した」
無料ほど…
警戒しないといけないものはない。
ああ…
芹霞と玲の考えが、俺にも浸透しているようだ。
「とにかく久遠様は、紫堂財閥への借金を返済したいらしく…番組に協力して、レポーターに案内して共に回ることになってたんだ。何せ久遠様はマイペースなお方だから…案内が出来るのか、愛想が出来るのか…私はそれが心配でならない。
久遠様は各務家のご当主なのだ。ご当主らしくしっかりときっちりとやって貰わねば…」
蓮も色々悩みの種は尽きぬらしい。