シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 


会いたい。


芹霞に会いたい。


電波越しであろうとも。


繋がりたい。


愛しい芹霞と。


叫びたい。


お前が好きだと。


愛していると。



言葉が出ないのなら、

俺の身体全てで叫びたい。




「師匠も元気かなあ…」




今度は――

胸が締め付けられるように痛んだ。



玲…。


――紫堂櫂を愛してる!!


あの場所に玲も居て。


玲は…多分、俺の為に次期当主になって…


蔑まれているはずだ。

俺の力が及ばない中、あいつは――

どんな思いでそれを堪えているのか。



――約束、して欲しいんだ。


――紫堂櫂を愛してる!!


狭間。

境界。


今、苦しんでいるのは…誰だ?


俺は…いいのか?


こんなに浮かれていていいのか?


唇を…噛み締めた。


自分勝手すぎる。


俺は――

玲を苦しめたい訳じゃないんだ。

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