シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「そうだ蓮。レポーターは誰だよ?」


不意にそんな遠坂の声が聞こえて。



「ええと…おかしな名前の…ゾ…ゾ…」


「ゾ?」


「ええと…3人組で、"獣帯"と言う意味の…ああそうだ、確か」



そして聞こえてきた名前は――


「Zodiac」


俺は途方もなく大きな溜息をついた。



「Zodiac!!? 何でまた!! 彼らはカリスマ的位置づけなんだぞ。最近めっきり姿を現していないはずで…」


「そうなのか? アナウンサーがサブリポーターとして1人つくらしいが、基本はZodiacがレポーターをするらしい。話題性がある生番組になるとテレビ局の男は言っていたが。何でもこれまでにない"神秘的"な特別な演出方法を考えているとか。まあ、久遠様はどんな演出にも引けをとるようなお方ではない」


確かに。


あんな程度の外貌であれば――

遊園地の放蕩オーナーに食われる。


その存在感は無に等しくなるだろう。


かつて学園祭のライブのように、後輩ですら見向きもされずに引き下がった苦い思い出があるのに…あえてこの地で久遠と共の出演を了承したのは、若さ故の愚行なのか。


久遠の美貌に乗じて何かを画策しているのだとしたら。

久遠を侮っているのなら…確実にしっぺ返しを食らう。


「よりによってZodiacかあ。だったら神崎…或いはそこに師匠とか、葉山とか如月がいても…すぐ消してしまいそうだ」


桜…。

煌…。


お前達は、芹霞と玲の元に居るのか?


ああ、皆に会いたい。

こんな場所ではなく…。




その時だった。



ウイーーーーン。

ウイーーーーン。




「「終わった~!!」」



司狼と旭の声が重なったのは。

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