シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



――助けてくれ。


罪に塗れた俺だからこそ、強くそう思うんだ。

皆を救うのが…俺の贖罪だ。


逃げずに…俺は戦う。

それを気づかせたのは…桜だ。


俺を矯正させる桜が居るならば…

俺は何でも出来そうな気がする。


俺は…いい仲間に巡り合えた。

本気でそう思う。


「俺達の熱い友情は、永遠だからな」


"永遠"

芹霞の真似してみた。


中々に気分がいい。

癖になりそうだ。


満面の笑みで言った途端、桜は咽(む)込んだ。


きっと…照れてんだ。


「おう、そう言えば忘れてたけどよ。お前が窮地に陥ったら、俺が助けてやるから安心して俺に…「黙れ、てめーはッッ!!!」


桜の回し蹴りを頭に食らって、くらくらする。


「何すんだよッッ!!?」


目の前の桜は、自分自身を掻き抱くかのようにして、震えていて。


「どうしたよ?」


「どうしてそんな寒いことを平気で言うんだ、てめーは!!」


「寒い? 俺達熱いんじゃねえか」


「寒いんだよッッ!!!

黙れ、この駄犬がッッ!!!」


顎にとび蹴り食らった俺。


「お前の思考回路を正せッッ!! 正せといっても正せないだろうが、もう少しマシな回路にしろッッ!!!

何でてめえと熱くなって、てめえに助け求めるんだッッ!!

窮地に陥ったら、自分1人で何とかするわッッ!!!」


更に脛打ちだ。


「んな顔すんな、俺が居るんだから不安になるなって。きっと多分恐らくは…うまくいくと思うから。あのドドSをお前の糸で縛り上げて、脅して破談にさせようぜ? 簡単、簡単!!! 俺達は無敵コンビだからな!!」


笑って肩を叩けば、桜はげっそりとした顔をした。
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