シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
それでも結局は…
櫂の"覚悟"は決行されたというのなら…
今更、あいつらを監禁してまで何を懸念しているんだ?
そんな時降って湧いた…紫堂次期当主との婚姻話。
偶然じゃねえ。
皇城は紫堂は…手組んで何をしようとしてる?
そんなのに、玲も櫂も利用なんてさせねえ!!
皇城も紫堂も…人あっての家だろうが。
家にどんな価値があるってんだよ。
俺みてえな考えする人間が、特殊なのか!!?
小猿にも七瀬にも…味方はいねえのか!!?
いや…いるじゃねえか。
いつも一部には不機嫌そうな…秀麗な顔。
「なあ桜、朱貴はどうしてるんだ?」
朱貴なら…
皇城に切り込む糸口にならねえか?
どんな付き合いかは知らないが、周涅との知人で…七瀬に惚れていて、それで小猿の教育係だったというのなら。
それだけでもう…俺達側の人間だ。
そして何より強く、色々知っている。
事情通のワケアリだ。
「一緒ではないようだ。多分…朱貴は朱貴で監禁だろう。場所までは知らん」
「何でだ? 別に朱貴は周涅を裏切ってないだろうが」
「……朱貴、か」
桜が目を細めた。
「朱貴を取り込むか」
そんな時、携帯が鳴った。