シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 
「皇城翠、お前は今何処に居る!!?」


折角の…感動ものの会話を見かねて、桜が話を進めてきた。


『はぁはぁ…葉山の声だッッ!! ごめんな、さっきは逃亡中につき、追手を撒いていた最中で電話取れなくて。今は悠々自適な電車の旅してるから、ゆっくり話せるから。もっともっと長く「逢いたいんだが」


また…

飛び上がった小猿が頭に浮かぶ。


桜。

単刀直入なのはイライラしているからとして…

そんなのさっぱり判らねえ小猿には…


『逢いたい~!!?

俺も、俺も、俺もッッ!!』


ほら。

完全脳内薔薇色だ。

すげえ…更に甲高いキーキー声。


BGMに何かのアナウンスが混ざり、煩いったらありゃしねえ。



『今俺は紫茉とは別方面から、広……ああ、充電!!?』



ツーツーツー。



静寂。



「やりやがったあの小猿…」



はぁはぁ時間をかけすぎて、充電切らせるんじゃねえよ!!

肝心な情報、何もくれてねえじゃないか!!!


俺は溜息をつきながら、頭をがしがし掻いた。


「全然、役立たずな猿だ」


桜が舌打ちをした。

目が怖い。
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