シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

「惚れ直してしまいましたかぁ!!?」


こっくり。


何だろう、その可愛らしさ。



「ここのドレス、彼女さんにお似合いですね~」



こっくり。



「綺麗ですね~」


こっくり。

こっくり。


Wこっくりだ。


「お付き合い何年目!!?

プロポーズの言葉はなんだったんですかぁ!!?」


アズサ、暴走。


「ぼくを――

いじめないでください」


ああ、これ全国放映。

いいのか、玲くん…"氷の次期当主"は何処に!!?


周囲からは女の子の歓声。

呉羽サンも悶絶している。


「おねがいです。

もういじめないでください」


俯いてしまった玲くん。


ああやだ。

こんな可愛い玲くん、皆に見せたくない。


――…ちゃあああん!!!


母性本能が擽られて堪らない。


テレビの前だというのに、

あたしはぎゅうっと玲くんを抱きしめてしまった。


「彼女さん。彼氏さんが好きですか?」


アズサがあたしにマイクを向けてきて。


「はい、好きです」


あたし玲くん大好きだもの。

嘘なんかつく必要ないし。


そうにっこり笑うと、玲くんがびくりと震えた。


「彼氏さん」


玲くんがアズサを見た。


するとアズサは顔を赤くさせながら、恥らったようにもじもじし始めた。


すると横から、口紅がスコーンと飛んできて。

ADさんが、アズサに身振り手振りで注意してる。

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