シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「!!!?」


「ごめ…んっ……限界…」


角度を変えて、唇が押し付けられる。

乱れた玲くんの息が熱い。


「僕を…煽らないで…?」


止まらない。

止まらない。

S.S.Aのような、可愛らしいちゅっちゅちゅっちゅじゃない。


「僕を…掻き立てないで?」


唇を割って入ってくる舌。


ぬるりとした舌は、逃げるあたしの舌を許さない。


「想像以上の…

君の花嫁姿に…僕は…」


器用に繊細に…

抵抗力を奪い取る。


「言ったでしょ…舌…搦めて?」


熱い吐息混ざりで囁かれると、頭がぼうっとして力が抜けてしまう。


「ん……僕に…応えて」


玲くんが動く度、何かを囁く度。

背筋に何かが走って、ぞくぞくする。


「……れ……ふっ…ぁっ……」


そこからはいつも…無我夢中。


「ん……いい子…」


最後にあたしの唇を舌で舐め上げて、口を離した玲くん。


とろりとした熱い目と上気した顔を見るだけでも、そこに"男"の色気を感じてしまって、心臓がばくばくして仕方がない。


ここにいるのは、あの可愛い玲くんではない。


あたしにとっての真実は…

やはりいつもの玲くんなんだ。


あの姿は…玲くんの一面、仮の姿でしかない。

消えゆく姿でしかない。


玲くんは寂しげに微笑んだ。


「君の…隣に立ちたいよ。

僕を…思い出にしないで…?」


思い出にする?

それは…玲くんの方じゃない。


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