シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
そんな時、クマ男がドアを開けて入ってきた。
「がははは。相当惚れられてるね、嬢ちゃん」
豪快な笑い声響かせて、クマ男はあたしの頭をぼんぼんと叩く。
「しかし"白き稲妻"さんよ、『自分が"骨抜き状態"になった部分は全てカットして、格好つけた処だけ編集』…そんな無茶な注文に付き合ってやったら…殆どお前さんカットだよ。色男なのに勿体ねえな、がははははは」
ん?
"骨抜き状態"って何のこと?
「"骨抜き状態"になるのを予見していて、実際戦陣突入すればその通り。その場面を後で見て更に"骨抜き状態"って…お前さんどれだけよ?」
「玲くん。"骨抜き状「彼女の前で余計なことは言うなよ!!」
慌てたような玲くんがあたしの声を遮った。
「がははは。麗しのそのお顔が崩れてるな。
いいじゃないか。あちらさんの電波横取り(ジャック)して、こっちの編集構成で本波のテレビに返す、邪道の荒技使ったんだ。
俺がいなかったらお前さんの…"氷の次期当主"の"骨抜き状態"がモロテレビに映っていたんだぜ? これくらい言わせろよ、がははははは」
「ねえ"骨抜き状「ああ、判ったよ。さすがは"電波横取り(ジャック)"の異名を持つだけある。ありがとう、助かった」
「がはははは!! これでお茶の間は、最近有名になっちまったお前さんの"事情"を知ったはずだ。あちらさんにもこれを無碍に無視も出来まい。
本当にお前さんの強気な見せつけ…"先手必勝"には頭が下がるよ」
玲くんとクマ男は…知り合いだったらしい。
"骨抜き状態"の意味は諦めた。
今度は"あちらさん"を聞いてみようか。