シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「娘、そこをどけ」

「何でだよ!!!?」

「何を隠している?」

「何で全てを君に見せないといけないんだ!!!?」


上擦っている。

凄く上擦っている。


何かがあると言っているようなものだ。



「ちょ…勝手に……」


ドガッ。


「うっ……」


遠坂が床に崩れた。


こつ、こつ…。



久涅が――


「こいつは誰だ?」


俺の前に立つ。


もう…駄目だ。


俺は、唇を噛んで…身構えた。


「誰だ?」


久涅が…四つん這い状態の俺の顎に手をかけ、

ぐいと上向きにねじ曲げると、不審げな顔を向けた。


俺は――

逃げもせず、俺と同じ色の瞳を、真っ向から睨み付ける。


至近距離。


どうせばれるというのなら、俺は受けて立つ。

これ以上――

逃げるなど無様な姿は晒したくない。


俺はどこまでも

抗って、闘ってやる。


そのために死の淵から蘇ったのだから。

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