シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「警察官でもねえお前らに"処罰"なんて下せる権限ないだろうが」
煌の声は段々と荒げられていく。
「免罪符がなければ、我らの権限内。それが東京の新条例」
「免罪符? 新条例?」
私は問いかけた。
「これはこれは"ガイダー"と思われぬお言葉。東京知事の名前で"免罪符"が発行された今となっては、免罪符なしに東京は歩けない。
…第2段階(ステージ)に入ったと我らに通達をしたのは、貴方様方上層部」
何だ…それは。
第2段階(ステージ)?
「免罪符があれば許して貰えるのか!!!」
そう叫んだのは処罰対象とされていた男で。
「何処に行けば買えるんだ!!?
あんたが代行して買ってきてくれないか!!?
幾らだ!!?」
買う…のか?
金で買えるものなのか?
「免罪符を…俗品にみなすなど…。
免罪符は黄幡会に入信することにより、教祖によって与えられるもの」
「黄幡会!!!?」
煌が裏返った声を上げた。
「何を驚かれる。元々自警団は黄幡会の私設の警備員。
"来るべき刻"に備えて活動するのが我らが務め。
我々はただのボランティア団体ではない」
「"来たるべき時"とは…」
私は目を細めた。
「ドラゴンヘッドに関係するものか」
思い出すのは――
以前出会った自警団の女が手にしていた携帯に刻まれたマーク。
「羅侯(ラゴウ)…に関係するのか?」