シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
すると――
自警団は不審げな表情を寄越し、警戒色で顔を覆った。
そして懐から何かを取出した。
「お前達――
"ガイダー"では、ないな?」
金色の万年筆から放たれる青い光。
「煌、例の万年筆だ!!!」
私が叫んで避けるのと同時に、煌は財布を取出したままの男を肩に担ぎ上げながら、空に舞ってそれを避けた。
「目で相手を捉えられるのって、便利だな」
そう言いながら着地すると同時に、地面が爆発する。
それを煌が避けている間、私は自警団の背後に回り…その首を腕で締め上げた。
「"来たるべき刻"とは何だ!!!?」
しかし自警団の男は何も答えない。
悲鳴すら上げない。
その表情は…虚無。
若い――男だ。
大人びた言い方をしていたから直ぐには判らなかったが、歳は私と同じくらいかもしれない。
十代を多く取り締まっていた自警団自体、十代の若者だったのか?
そして――
その顔を至近距離で見た私は…
「お前…桜華の…?」
この顔。
芹霞さんと遠坂由香と同じ教室に居た時、Zodiacの音楽を聞いて…自警団に連行された少年ではないか?
矯正施設に連れられた少年が――
自警団となっているのか!!?
あれ程、矯正施設に連れられることに抗っていたはずなのに。