シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「本当だ、揺れてるね」
「地震か?」
段々揺れは酷くなってきて、機械がガタガタと音を立て始めた。
「かなり大きいぞ!!! 閉じ込められる前に部屋から出よう!!! 芹霞、僕の傍に!!!」
廊下に出ても揺れは激しくなるばかりで、立っているのがやっとで。
同時に――
感じているのは…
「僕、嫌な予感がする」
瘴気。
何だ此の――
下から…突き上げるような、瘴気の動き方。
何なんだ…これは!!!
ゴゴゴゴゴゴ…。
「ねえ、玲くん…なんか変な音、しない?」
ゴゴゴゴゴゴ…。
「何だ、下から聞こえてくる…というか、段々と大きい音に…」
ゴゴゴゴゴゴ…。
音と共に…瘴気が同調するんだ。
「此処は危険だ、外に…外に出た方がいい!!!」
僕は2人を急かした。
ゴゴゴゴゴゴ…。
このままだと間違いなく――
「玲くん、壁に亀裂が!!!」
「やばいぞ、建物が…崩れる!!!」
芹霞と三沢さんの悲鳴。
ゴゴゴゴゴゴ…。
「非常用エレベーターがこっちに――」
「きゃあ、天井が崩れてきた!!!」
「駄目だ。間に合わない!!!」
倒壊の速度が速すぎる!!!
ゴゴゴゴゴゴ…。
「そこの窓から、飛び降りろ!!!」
僕は芹霞を肩に担ぎ――
「と、飛び降りる!!!?」
「待て!! 此処は…7階「つべこべ言わない!!!」
片手で三沢さんの腕を引いて、
窓を割って飛び降りた。