シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「桜…。俺…もう嫌…」
「………」
「猿には言葉が通じねえ…」
「………」
桜は…これ以上ないほどの盛大な溜息を寄越した。
「皇城翠。お前は…私達より鏡を信じるのか?」
桜の真っ直ぐの瞳に、小猿は一歩退いた。
「そんなガラクタを信じ、お前の心の鏡を信じないのか?」
ぶれずにいる桜。
「お、俺は……」
ぶれぶれの小猿。
「俺…何を信用すればいいんだよ!!!?」
小猿がキーキー喚きだした。
惚れた相手に詰め寄られて、頭は混乱の極みにあるらしい。
「俺達に決まってるだろ、小猿!!!」
「でもそのワンコが偽物で幻だった!!」
何で俺は過去にしちまうんだ?
「断言するな、馬鹿猿!!!
鏡を信用するな、ついでにお前の目を信じるな!!!」
俺は怒鳴った。
「鏡がなんだ、目が何だ!!!
お前の心は…真実が判る筈だ!!!」
小猿は、朱貴と俺達と鏡に視線を送りながら狼狽した。