シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「お、おい無責任なことを言うなよ、久遠!!! 対策を練ってくれよ!!! 第一、動けるようになれば動くだろうって…此処地下室で、更には冷たい地面の上なんだけれど。
放置? 放置プレイか!!?」
遠坂がわめく。
久遠とはそんな男だ。
今更、何を期待する?
時間の無駄だ。
ああ――
取りあえず、体力を回復しなければ。
だけど身体に…力が入らない。
結界を作ろうにも…力を動かす体力がないらしい。
ここはまず、体力を戻さねばならない。
眠ろう。
目覚めれば、声も出るようになるかもしれない。
難関は突破できたんだ。
「おい…まさか、紫堂」
後は…回復するのみ。
玲。
煌。
桜。
そして――
……芹霞。
今一度、お前達の元に帰るために。
「此処で寝るなよ!!! 約束の地(カナン)にはふかふかベッドがある宿泊施設だってあるんだ、何も此処で眠らなくても…おい、紫堂!!?しど…」
目を瞑った俺は――
意識を闇に沈めた。