シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「ヘリだけではなく、船も凄い数だ。それも合わせて100人。もっと増える可能性がある」
「何だってそんなに…」
「不思議なのは、そのヘリ…中継番組外の局の名が刻まれてるのも混ざっているのだ」
蓮の金の瞳が細められた。
どういうことだ?
何故他局が混ざる?
『流行とびつき隊』は、完全1局放映番組だったはずだ。
「僕ね、その人達に聞いて回ったんだ」
司狼が"どや顔"のままで得意そうに言った。
「そしたら、"すく~ぷ"の為だって」
俺は腕組みをした。
「スクープって…なんだよ、まさか"クラウン王子"だの"温海水浴"だの…」
俺は首を横に振って否定した。
そんな下らぬことで集まるわけがない。
「でねでね、旭…その間にその人達の鞄から、貰ってきちゃった~。きゃははははは~」
旭…。
それは"貰う"ではなく、"くすねる"と言う。
旭は満面の笑みで、1枚の紙を俺に寄越す。
「難しい漢字ばっかりで、旭読めない。読んで~」
「お前馬鹿だろう…旭、いや軍曹B。紫堂…いや、先刻蓮に言われたばかりだったな、ええと…そうだ、凜だった!!
凜は、口が聞けないんだぞ?」
どうやら、俺の名前は凜で本決まりらしい。
「ああそうだったね~。きゃはははは~。じゃあシレイカン読んで~」
俺の目に入ったのは――
紙の最後に明記された署名(サイン)。
玲の…署名ではなかったか?
俺は慌てて、遠坂の手に移った紙を覗き込む。
それは…FAXのようだった。