シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「ヘリだけではなく、船も凄い数だ。それも合わせて100人。もっと増える可能性がある」


「何だってそんなに…」


「不思議なのは、そのヘリ…中継番組外の局の名が刻まれてるのも混ざっているのだ」


蓮の金の瞳が細められた。


どういうことだ?

何故他局が混ざる?


『流行とびつき隊』は、完全1局放映番組だったはずだ。


「僕ね、その人達に聞いて回ったんだ」


司狼が"どや顔"のままで得意そうに言った。


「そしたら、"すく~ぷ"の為だって」


俺は腕組みをした。


「スクープって…なんだよ、まさか"クラウン王子"だの"温海水浴"だの…」


俺は首を横に振って否定した。


そんな下らぬことで集まるわけがない。


「でねでね、旭…その間にその人達の鞄から、貰ってきちゃった~。きゃははははは~」


旭…。

それは"貰う"ではなく、"くすねる"と言う。


旭は満面の笑みで、1枚の紙を俺に寄越す。


「難しい漢字ばっかりで、旭読めない。読んで~」


「お前馬鹿だろう…旭、いや軍曹B。紫堂…いや、先刻蓮に言われたばかりだったな、ええと…そうだ、凜だった!! 

凜は、口が聞けないんだぞ?」


どうやら、俺の名前は凜で本決まりらしい。


「ああそうだったね~。きゃはははは~。じゃあシレイカン読んで~」


俺の目に入ったのは――

紙の最後に明記された署名(サイン)。


玲の…署名ではなかったか?


俺は慌てて、遠坂の手に移った紙を覗き込む。

それは…FAXのようだった。



< 685 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop