シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「駄目だ。絶対駄目だ!!! 君はすぐ鼻血出す癖に、どうして興味津々なことにはこんなに平然と積極的になるんだよ!!!」


玲くんは涙目で、服からあたしの手を追い出そうとする。


「ねえ…玲くんは毛、生えてるの?」


ぽっ。


また玲くんは赤くなり顔を背ける。


もぞもぞ。


「だから駄目、手、手を……あっ…ねっ…芹霞!!!」


面白い。


色々触ったら玲くんの身体が跳ねる。


玲くんは擽(くすぐ)りに弱いタイプなんだろうか。


掠れた声で、やけに艶めかしい声を上げるけれど…きっとそれが玲くんの"くすぐったい"という表現なんだろう。


ほほう、じゃあ…もっと擽っちゃえ!!!


「芹霞、ねえやめてったら、やめて!!! 僕を刺激しないで!!!」


やっぱり擽りに弱いんだ。


いいことを知った!!


遊んじゃえ、遊んじゃえ!!!


「芹霞、頼むから!!!」


訳の判らない鬱々としたことばかり続いたのだから、たまには一緒に愉しみましょう玲くん。


何だかね、玲くんの…小動物みたいな懇願するような潤んだ目が、あたしをぞくぞくさせるんだけれど…これ、一体なんだろうね。

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