シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「そういえばお前さん…

KANANで何をする気だい?」


それは唐突に――。


「え? "約束の地(カナン)"?」


玲くんも驚いた声を上げた。


「お前さん、報道陣宛にFAX送ってたろう、KANANで重大発表をするから記者会見を開くと。お前さん代理の久涅だとかいうのと各務当主と共同で。今ヘリの音で思い出したが…今日だったよな。あのヘリはKANANに向かうヘリの可能性が高いな」


「はああああ!!!?

知らないよ、僕!!!

何だよ、それは!!!」


玲くんが、がばりと後から運転席に抱きつくようにして叫ぶ。


「え? だけど確かお前さんの署名があったぞ?」


「知らないよ…僕。重大発表?

久涅は…久遠の居る"約束の地(カナン)"に居るというのか?」


何をそんなに険しい顔をするんだろう。

何だか顔が青ざめているようにも見える。

久涅が久遠と一緒に居て、何か不都合なことでもあるんだろうか。


「それは…何時からですか?」


「ええと…すまん、そこまでは覚えてない。

ちょっと後輩に聞いてみるか」


そう携帯を取出した時だ。



「――!!!!


やはり来たか!!!」



玲くんが真上に顔を向けて叫ぶのと同時に――



ガゴンッッ!!!



天井がそんな音と共に…


「うわ!!!!」



拳型に歪んだのは。




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