シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
何故、突如…予定を変更したのか。
変更するだけの何があったのか。
"電気"
何故それが理由になるのか。
久遠は険しい顔をしたまま…久涅を睨み付けていて。
「新アトラクションは、此処と此処の場所だ」
久遠が立ち上がって、久涅の言葉を制したが、
「…此処は俺に従って貰う」
久涅はそうにやりと笑うと、声を張り上げたんだ。
「この番組の…TBS以外の報道陣の皆々様に申し上げる!!!
我々は中継地点3つ目の場所にて記者会見を行う予定!!!」
久遠が、驚いたような顔を久涅に向けて。
「それに付随するものを順次中継していく。
もしご興味在るのなら、皆様もカメラを回しどうぞ後に!!!」
何を――
企んでいる久涅!!!
報道陣はざわめきだし、そして3分の2が追従の姿勢を見せた。
残留組は…Zodiacでも撮すのか、そのまま記者会見会場にていい席を陣取る気なのか。
記者会見は…何処だ?
確かあのFAXには書いてなかったはずで。
そんな俺の疑問を上書きするように、
「では行くか」
久涅はそう、久遠に笑いかけた。
それは愉快そうで――
同時に、憐憫と憤怒が混ざったような…
そんな複雑な笑みに見えた。
「せいぜい…頑張れよ?」
それは――
不穏の到来を告げる言葉。
何をしようとしているのか。
その言葉に久遠は拳を握りしめ――
俺は唇を噛みしめた。