シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
――せいぜい、頑張れよ?
何が――起るのか。
その時、この"王子"は役立てれるのか。
ああ――幸先不安だ。
大丈夫かよ…。
カクカク、カクカク。
怪しい。
どう見ても怪しすぎるんだ、この王子。
カクカク、カクカク。
怪しいのはその顔だけでいいのに…なんてリアルに怪しい動き。
カクカク、カクカク。
本当に"これ"と一緒に回るのか?
映像的に"これ"はいいのか?
ああ…。
何でこんなのが、俺の作った複合施設のイメージキャラクターなどになってしまうんだ!!!?
どうして皆これを素直に許容する!!?
何で平然とカメラを回せる!!?
発声できない俺がこんなに心で突っ込んでいるのに、どうして喋れる奴らは誰も突っ込まないんだ?
何処から聞こえた、"可愛い"なんて声!!!
おかしいのは俺の感覚なのか!!?
これは"可愛い"のか?
違うだろう。
違うはずだ。
草食動物代表と、肉食動物代表と、ゲテモノ代表と。
三者が一同に集って歩く様は、あまりにも圧倒的すぎて、俺は溜息をつくしかできなかった。
――あははははは~。
何処からか――
馬鹿にしたような胡散臭い笑い声が、聞こえたような気がした。