シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

――せいぜい、頑張れよ?



何が――起るのか。


その時、この"王子"は役立てれるのか。



ああ――幸先不安だ。


大丈夫かよ…。



カクカク、カクカク。


怪しい。


どう見ても怪しすぎるんだ、この王子。


カクカク、カクカク。


怪しいのはその顔だけでいいのに…なんてリアルに怪しい動き。


カクカク、カクカク。


本当に"これ"と一緒に回るのか?

映像的に"これ"はいいのか?


ああ…。


何でこんなのが、俺の作った複合施設のイメージキャラクターなどになってしまうんだ!!!?


どうして皆これを素直に許容する!!?

何で平然とカメラを回せる!!?


発声できない俺がこんなに心で突っ込んでいるのに、どうして喋れる奴らは誰も突っ込まないんだ?


何処から聞こえた、"可愛い"なんて声!!!


おかしいのは俺の感覚なのか!!?

これは"可愛い"のか?


違うだろう。

違うはずだ。


草食動物代表と、肉食動物代表と、ゲテモノ代表と。


三者が一同に集って歩く様は、あまりにも圧倒的すぎて、俺は溜息をつくしかできなかった。




――あははははは~。



何処からか――


馬鹿にしたような胡散臭い笑い声が、聞こえたような気がした。
< 709 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop