シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

　
中に引っ込んだあたしの姿を、バックミラーで見たクマ男は酷く仰天したようで。


「嬢ちゃん、怪我したのか!!!?」


「ひがう～。はなひらしただへ～」


くったりだ。


その時、車体に走る衝撃。



ガツン。



「う!!!?　今度は後ろからだ!!!　何でこれ以上のスピードで!!!?」


残る1台…休む暇無く後ろから車体をぶつけられた。



「嬢ちゃん、今の衝撃で体は大丈夫か!!!?」


「あらひらいひょーふ。クマふぁ、らいひょーふ!!?」


「おう、俺もそんなヤワじゃねえ…っていうか、この車が耐久性ありすぎだ。

しかし何だ、突然…ハンドルの真ん中から開いたこのパネル…。APSのようなものか?」


クマが、何やらぶつぶつといいながら…



「何だこの青いメモ?…


"押して、ボンドカーに答えてね☆"。


……???　


わけ判らないが、押してみ…うわっ!!!」



『よろしいですか?』



「クマ、ボンドカーがしゃべっら～!!!」


吃驚だ!!!


しかも意味不明!!!


『よろしいですか?』



「よく判らないけど、

"よろしいです"」


クマ男がそう言った途端――


『了解しました。

加速モードに入ります』



そんな機械的な声と共に、


「「ぎょえええええ!!?」」


突然車が速度を上げたんだ。


クマ男の雄たけびが響き渡る。


その速度は、今までの比じゃない。



「ボンドカー!!!」



つっぺをしたあたしの目はキラキラで。



煌!!!

あんたにも見せて上げたかったよ!!!