シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「葉山も知っているのか!!? うわっこれは運命「桜、そいつは信用出来るのか?」
煌が翠の言葉に重ねると、翠はキーキー怒り出した。
煩いのを完全無視して、私は答える。
「情報屋は情報の正確さがウリだ。おかしな情報を売って変な風聞を立てられるのを極度に恐れる。聖は裏世界でも有名な、一流の情報屋。顧客を厳選している筈の彼が、何故…」
「裏世界って…小猿。お前と七瀬は、そんなとこ出入りしてるのか?」
「裏世界?? ということは、表世界もあるのか?? 何処?? 何の世界??」
「……。情報屋つったら高額だ。小猿、金はどうしてるよ?」
「あ? 普通は金かかるのか?」
「は!!? お前タダで一流の情報屋を従えてるのかよ!!?」
「勝手に情報寄越してくるのはあっちなんだってば!!!」
「ありえねえだろ、一流情報屋が何で子供にボランティア活動しねえといけないんだよ!!?」
「ボランティア…でもないさ!!! あいつ道すがら餓死しかけていて、紫茉が声かけた途端…俺が囓ってた、限定発売のマヨネーズ味の豚まん奪って食ったんだぞ!!?」
――いやあ、今一文無しで、助かりましたわ。
「俺、1口しか食ってなかったんだぞ!!!?」
ありえない。
聖がそんな"奇行"に及ぶとは。
金には困らぬだけの高額報酬の仕事をしているんだ。
だとしたら…
"近付いた"ということ。
「助けてやった俺達に、毎回変な暗号みたいの送ってくるんだよ。紫茉そういうの好きだから、毎回それ解いては…一方的に送りつけてくる裏話を聞く羽目になってるけど」
何でだ?
何だか…ひっかかる。
そういえば。
煌を見つけたら、また訪ねろと言われていたっけ。
聞いたら…答えるだろうか。
顧客としてみなしているのなら、言うはずはないだろうが。