シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
いつもいつも、我慢してばかりいた玲くん。
押し殺していた本当の彼を解放させて上げたくて仕方がなかった。
幸せになって欲しかった。
「クマ!!!
玲くんにとっての幸せは!!?」
「それはお前さん自身自覚しているはずだ。
お前さんが――
あいつを恋愛という意味で愛すること」
あたしは笑った。
「それで玲くんが幸せになれるというのなら。
それで玲くんが死なないでくれるのなら。
あたしは喜んで、
玲くんを"男"として愛すよ!!!」
簡単じゃないか。
――あたしは、神崎芹霞は!!!
あたしは、玲くんを恋愛対象として、今から愛そう。
「だからクマ――
戻れッッッ!!!!」
「判った…といいたい所だが!!!!」
クマ男は咆哮するように叫んだ。
「ガス欠だ!!!」
「はああああ!!!?
だったら走る!!!」
「駄目だ、外は出歩くな!!!
行き着く前に嬢ちゃんが殺される!!!」
「じゃあどうしたら…」
悲鳴のように声を上げて夜空を見上げた時、巡回中のヘリを見つけたんだ。
ヘリ…。
そうだ、真上から玲くんを拾えれば…。
そしてはたと思い出す。
「クマクマ、後輩に電話!!!
ヘリを回してもらって!!!」
「へ!!?」
「へじゃない!!!
大至急!!!
ヘリで玲くん救助する!!!」